半年にぶりに前の会社の同僚に会う。
近所の駅に待ち合わせ、ショッピングモールのバイキングで遅めのランチ。
すでに退職した彼女は少し痩せたが、以前と変わらず明るいキラキラした口調で、退職に至ったまでの経緯や今の生活状況を話してくれた。
メールで廃人同然ですという報告があったので正直ビビっていたのだが、思っていたよりは元気そうで安心した。
話の内容はめちゃめちゃヘビーだったけど。
業務に励み、確実にキャリアアップしていた会社を不本意で辞めざるを得なかったことに対して、今でもしこりが残っているようだった。
「今まで友達と思っていた人たちが、手の平を返すようにそっぽをむいてしまったことが一番つらかった」と涙ぐんでいた。
泣いている彼女を見るのは初めてだった。
切なさを感じると同時に、企業のおぞましさも感じた。
そんな状態でも、決して一人じゃないんだよ。
ここに一人いるから。
それが一番伝えたいメッセージだった。
そしてそれは自作のコンピCDを渡した時、十分伝わったようだった。
世界に1枚しかないから、大事にしてね。
力作だから。
その後、いくつかのショップを回って疑似デートを楽しんだ。
待ち合わせした場所でお互いに別れ、帰途につく。
そう、お互いに一人じゃない。
どこかでつながっているものさ。