HMVオンラインからようやくYAZOO「In Your Room」が届く。
1st、2ndアルバムのリマスター版、シングルのREMIX、そしてPVとインタビューを収録したDVD。
CDアルバムもシングルも持っているが、リマスター版を待っていたのでやっとiTunesにブチ込む。
今回の目玉は何と言ってもインタビュー映像だ。
ヴィンス・クラークがデペッシュ・モードを脱退してから、アリソン・モイエを誘ってYAZOOを結成し、そして解散するまでの経緯が関係者へのインタビューで詳細に語られている。
デペ時代に引き続きライブ嫌いだったヴィンス。
無名のシンガーから、突如としてファッションまで注目されるようになり、戸惑いを感じたアリソン。
1stアルバム「Upstairs at Eric’s」の名前の由来。(所属レーベルMUTEの録音スタジオが予約でいっぱいだった為、エンジニアのEric Radcliffeの自宅の2階で録音したらしい。だから「エリックん家の2階」)
MUTEのオーナー、ダニエル・ミラーも登場。
これがどこにでもいるような、温厚なオッサンだったりする。
見終わって、UKインディーズの懐の深さを改めて感じた。
たしかに現在でも活躍するヴィンス、アリソンという才能あふれる人材が居たから成功したかもしれないが、
それを受け止める社会があって、それを評価する人たちが居たからこそ成功したと思うのだ。
パンク~ニューウェイヴの功績はそこにある。
お金が無くても、テクニックが無くても音楽は作れる。
そんな単純なことを教えてくれているのではないだろうか。
この時期にエレクトロニクスを駆使して登場したバンドは、みんなド下手だった。
HEAVEN 17のマーティン・ウェアは、和音が弾けずシンセのキーボードを1本指で鳴らしたものを重ねてメロディを作ったんだし。
ニューオーダーの初来日ライブに至っては、「2軍が来日したと思った」(石野卓球談)くらいヘナチョコなプレイだったし。
不足している部分を電子楽器で補いつつ、それが一つの強固なアイデンティティとなり、今日に至っている一流バンドだってあるじゃないか。
My Spaceにそれと同じ魅力を感じるのは自分だけだろうか?
素敵な音楽を聴いてワクワクしたい気持ちはみな同じさ。