まさに大どんでん返し

川崎昌平「若者はなぜ正社員になれないのか」を読む。

このタイトルを見た時、統計や調査を元に正社員になれない若者の実態と発生原因を描き、かつ具体的な提言が書かれているものと思い、購入した。
著者は大手の金融関係、外資系企業、中小企業の求人に応募し、書類審査で落とされたり、面接に進んでもなかなか内定を獲得出来ず、悩む様子を連綿と綴っている。

しかし、である。

数社で内定をほぼ手中にした関わらず自ら辞退し、最終的には「無職」であることを選択する。
短期の派遣労働に疲れ、正社員になりたいと望んで就職活動を始めたのに、最後に下した決断が「無職」であるのは、明らかにおかしい。

著者独特の面接官や新卒の求職者の描写はたしかに面白い。
文筆家で収入を得ることだって可能なほどだ。

しかし、企業も学生も冗談で面接に臨んでいるわけではない。
就職や仕事に対する態度に甘さが感じられる点が非常に気になった。

若者はなぜ正社員になれないのか (ちくま新書)
川崎 昌平
筑摩書房
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