映画「コミュニストはSEXがお上手?」を観る。
時はまだベルリンの壁があった頃まで遡る。
資本主義経済の下、性情報が溢れていたはずの旧西ドイツは意外にも性について保守的であったという。
それに比べ共産主義の下、国家権力の監視が目を光らせていたはずの旧東ドイツでは、意外にも性に対してオープンであったという。
なぜか?
お互いの国同士、第二次大戦直後は徴兵により男性の労働力が極度に不足していたのは共通だ。
残された女性達は瓦礫の中からの復興を目指し、煉瓦職人になるなど積極的に労働力の一翼を担うこととなる。
ここまでは両国とも同じ。
しかしベルリンの壁の完成後、事態は大きく異なってくる。
西側では男性が復員すると、女性は家庭に戻り育児・家事に専念するようになったのだ。
一方、東側では限られた国土と資源で国家を維持するために女性も継続的に貴重な労働力となり、共産主義における男女平等の精神と相まって、女性が働きやすい環境がどんどん整備されていく。
映画ではレーヨン工場内に併設された保育園や日用雑貨を販売する売店、洋服の仕立屋などの映像が流れていた。
したがって女性は男女同権を主張し、必然的にSEXにおいても女性上位を主張し始める訳だ。
婚前性交渉は当たり前、離婚も当たり前、女性は強かった。
幅広く男性と付き合うから、性的な満足度も当然高くなる。
一見すると共産主義下で抑圧されているように見えた東だが、実は性生活については充実していた…という事実がここに浮かび上がってくる。
時にはコミカルなアニメーションをインサートしながら軽快に進行するドキュメンタリー映画。
初日ということもあり、結構たくさんの観客がいた。
外国人のカップルが多かったかな?