Roots of My Own Life~Climbing to the Top~

山道への入り口。
ここからは本格的な登山スタートだ。

岩谷観音登頂入口

岩谷観音登頂の道しるべ
↑古い石碑

いざ山頂に向けて出発したものの、行く手を阻む奴らがいる。
でかいクマンバチが、そこら中をブンブン飛び回っている。
いや、よーく見るとハチだけではない。
小型のハエも、アゲハチョウも、ツバメも、ありとあらゆる生物が山の上を飛び回っているのだ。
そう、この季節はどの生物もムラムラして交尾したがっている(笑)
人間が5月病でボーっとするのとは対称に、彼らは子孫を残す為に元気に発情する。
クマンバチはある一定の空間に滞空して、同類はおろか、動き回る生物を見境なく追いかけまわす始末。
どこからそんな性欲が湧くんだ?ってくらい。
このままだと人間にも突っ込んできそうな勢いだ。
ブンブンうるさい中を、ヒヤヒヤしながら頂上を目指す。
途中には小さなお地蔵さんが登山の無事を祈るかのように見守る。

中国自然歩道のお地蔵さん

登り始めて約1時間。
ようやく岩谷観音へと続く石段に到着。
もうこの頃になるとフラフラ。

岩谷観音石段

そして、岩谷観音に到着~

岩谷観音跡

以前、ここには小さなお堂があった。
700年前の鎌倉時代に、現在の府中町に住んでいた武士が魚を採るために網を張って引き揚げたところ、小さな石仏が引っ掛かったそうだ。
その石仏を山頂に祭り、いつの頃か岩谷観音と呼ばれるようになった。
石仏は現在、府中町の隣にある広島市東区温品にある岩谷寺に保存されてあるという。
尚お堂は小学生の頃、大規模な山火事で焼失した。
今では土台と瓦のみが当時の面影を残すのみ。

岩谷観音の瓦
↑瓦

少し休憩して、いよいよ高尾山の山頂を目指す。
岩谷観音という名前の通り、ごつごつした巨石で山頂は形成されている。
急勾配だし、足場は最悪だし、記憶に残っている山道は道なき道になっている。
本当にここでいいのかな?、と半信半疑で登っているとようやく見えてきた!
うおー!
疲れが吹き飛ぶ瞬間。

高尾山山頂から広島市内を望む
↑高尾山山頂から広島市内を眺める。やや曇天。

高尾山の観音(表)
↑なぞの観音様の彫刻。昭和61年ってことは、まだ広島にいた頃に掘られたはずだが、全く記憶にない。

高尾山の観音(裏)
↑その裏。「南無阿弥陀佛」ってことは真宗系だね。

高尾山山頂
↑下にちょこっと見えている岩には、「鬼の足跡」と呼ばれる小さな窪みが以前あった。形は3本指だったことを覚えている。天から鬼がこの山頂に舞い降りた証しと教えられていたけど、よく見たらここら辺の岩は風雨にさらされて丸くなっているので、伝承の真偽は怪しいと思われる。子供の頃には本気で信じていたけどね(笑)

汗で濡れた上着を脱ぎ、水分を補給しながらおにぎりを食べていたら、下から親子連れの2家族が登ってきた。
小学生くらいのお孫さんと一緒に登ってきたおばあちゃんもいる。
元気やなー、ほんまに。
ここからだと、広島市内の中心地がほぼ見渡せる。
黄金山、比治山、広島駅、そして先日近くまで行ったマツダZoomZoomスタジアム。
はるか向こうには瀬戸内海と、そこに浮かぶ宮島も微かに見えている。
そう、この風景がずっと見たかったのだ。
実に20年ぶりの360度パノラマに感動。
次回登頂することがあれば、温品の方に降りてぜひ岩谷寺を訪ねてみたいものだ。
風景を堪能し、しっかり休息も取ったので下山開始。
来た道をそのまま戻るのも面白くないので、水分峡に立ち寄ることにした。
水分と書いて「みくまり」と呼ぶ小さな峡谷には、府中町内を縦断して流れる榎川の源流があり、治水の役割を果たす小さなダムが上流に向かって点々と存在する。
小学生の頃には大きな岩がゴロゴロあって、その合間に松が生えている乾いた土地だった。
現在では護岸整備が進んだキャンピングエリアになっており、あまりの変化にびっくりたまげた。
この日はそこら中でビール片手にバーベキューをしており、昔の風景を知っている身としては複雑な気持ちだ。

草摺の滝
↑草摺(くさずり)の滝。武士の鎧に付いている草摺に似ているところから、この名前がついた。

水分神社
↑みくまり神社。その起源は神武天皇まで遡れるという。

水分峡入口
↑水分峡入口。左手奥に行楽客が見える。

写真には写っていないが、この付近にはゴルフの打ちっぱなしと、焼肉雲助というプール付きのレストランがあって、ちょっとしたリゾート地だった。
府中町の中でも自然を堪能できる地域だったからだろう、以前はそれなりに集客力があったここも時代の変遷と共に役割が変化していったのだと思われる。
ゴルフや食事ではなく、キャンプやバーベーキューといったレジャー目的で訪れる地域になっていった。
いろいろな思い出を胸に、かつて慣れ親しんだ土地を訪れるのは大変面白い。
時代と共に変わっていく風景、変わらない風景。
道端にある小さな水路さえも、愛おしく感じられる。
そんな気持ち。
道隆寺まで戻ってきた。
ソレイユを出発し、高尾山に登って、早4時間が経過。
登山の後にはやっぱり温泉!ということで、流した汗をさっぱり洗い流すべく、スーパー銭湯へ向かう。
というわけで、次回は銭湯で起きた珍事件を紹介します。

3件のコメント

  1. 岩谷観音。
    もちろん幼少の頃行ったことあります。
    ここに遠足で行ったのかな?
    それにしても観音様のコメントが謎
    水分峡・・・あたしもここ何年も行ってないけど,確かに昔とは随分変わりましたよね~うんうん。
    雲助なんて子供会でも行ったりしてて,思い出深かったから,なくなってちょっぴり寂しいです
    スーパー銭湯,みくまりっこですね

  2. もう一言!
    それにしても素敵な景色
    昔見た時も,子供ながら感動したのを思い出しました。
    あたしも登ってみたい気持ちはあるけれど・・・
    体力気力に自信なし
    なんか色々昔のこと思い出しますね

  3. >はなさん
    遠足で岩谷観音とは、結構ハードではありませんか?
    山頂は結構危険だし・・・
    あの観音様は謎が謎を呼ぶ、謎の観音様でして。
    あんなものあったっけ?って感じでした。
    しかも謎のメッセージ。
    他にも仏様がびっしり描かれた旗が置いてあったりと、
    摩訶不思議な空間でした。
    雲助は、たしか土橋にも同じ店があって、そこはよく行きましたよ。
    今はクローズしちゃっていると思います。
    本当は岩谷観音を通過して、呉沙々宇山まで登ろうとしましたが、
    そんなもの無理!ってことで、さっさと下山しちゃいました(笑)

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