昨日の姉一家に続き、今日は弟が自宅へ帰っていった。
久しぶりに家族全員が揃ったおかげで、普段は頑固な父も柔らかくなったように思える。
子どもの頃、家族とは最も身近な成長の場であり、癒しの場であった。
しかし、今は違う。
それぞれが独立し、新たな「場」を形成している。
またはしつつある。
もはや実家は戻るべき場ではない。
そこは死を待つ者の家、Dead Person’s Houseなのだ。
ドラスティックに物事が変化することもなく、淡々と死へ向かって一歩一歩近づいていく。
父は身辺整理なのか、人生に重要な影響を与えたものを除いて、所有していた本をほとんど古本屋に売ってしまった。
読みたい本があれば、図書館から借りてきて読んでいる。
オンデマンドな生活に突入しているのを見て、死期が近いのを悟っているのだと分かる。
いつか訪れるその時。
その前に早く結婚して、両親に孫をその手に抱かせてやりたい。
両親の死が早いか、赤子の誕生が早いか。
今は時間との戦いだ。