人間の知恵はそんなものだって乗り越えられる

日本人の「自由」は、お上から許された、一定の枠内の自由=フリーダムであるのに対し、フランス人の「自由」は、大衆の力によって奪い取った自由=リバティだと言われる。
天野雅博(2008) 『それでいいのか、サラリーマン!』 三冬社

それでいいのか、サラリーマン!
天野雅博
三冬社
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これって、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」におけるアムロとシャアのことを言ってるんじゃないのかな。

アムロ
→地球連邦軍という「権力の番犬」的組織に属しつつも、連邦政府の内部改革を密かに心に秘めているので、半ば島流しのような身分である軍人を甘んじて受け入れている。
シャア
→「人類は地球上から全て撤退し宇宙に上がるべき」という理想を掲げ、地球に居残る連邦政府高官を、地球への隕石落としによる人工的な核の冬の発生により抹殺しようとする。

二人に共通するのは、地球を救いたいという純粋な気持ち。
それをどう実現するか、という方法論が決定的に異なる。
アムロのようにサラリーマン的思考で物事を捉えるか、それともシャアのように起業家的思考で突き進むのか。
たしかに日本は幕末に天皇を担ぎだした内乱はあったが、西洋的な意味での革命は起きなかった。
一方フランスはフランス革命によって民衆が貴族や僧侶などから権利を奪取して、自国内で革命を実現した。(これはイギリスも同じ)
日本人のお上のお墨付き、御用達に弱い気質も何となく理解できる。
でも、今の日本は非常に窮屈で息苦しい気がしてならない。
不景気では企業が安定志向になる、そうかと思えば好景気になると、やれベンチャー志向だ非正規労働者の大量採用だとコロコロ心変わりをする。
そしてその繰り返し。
刹那的な思考は結構だけれども、そこに「志」はあるのかと問いたい。
いま働いている社会人の方々は、自分が入社試験や公務員試験を受けた時の志望動機を明確に言えるだろうか?
即答できる人は、恐らくあまり居ないと思う。
別に立派な理由である必要はない。
周りが大手企業志望が多かったから大企業に入った、でもいい。
安定志向だったから公務員になった、でもいい。
偶然受けたら受かった、それでも構わない(笑)
その時のマインドは今でも持ち続けていますか?
熱い気持ちは忘れていませんか?
突出することを恐れていませんか?
アクシズ内で、アムロはシャアに呼びかける。

貴様は世直しのこと、知らないんだな。革命はいつもインテリが始めるが、夢みたいな目標を持ってやるからいつも過激な事しかやらない。しかし革命のあとでは、気高い革命の心だって官僚主義と大衆に飲み込まれていくから、インテリはそれを嫌って世間からも政治からも身を退いて世捨て人になる。

自分は心情的にはシャアのような野心をいつまでも持っていたいと思う。
だが、方法論としてはアムロのような道を辿るだろう。
変革したいと思った時にパッションを持ち、資源(能力、資金)を活用できるような環境に身を置く。
それが現在の人生の目標だ。

2件のコメント

  1. 志望動機、覚えてます。
    「そろそろ来る車検の費用をどげんかせんといかん!」
    刹那的だなぁ・・
    切羽詰まってはいましたが(笑)

  2. >ねこさん
    車検の費用、結構です!(笑)
    志しがあれば、そでいいのです。
    ただ何となく・・・これが一番マズイ。

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